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3/18日記:「最近読んだ本」 [日記]

ここ数日
風邪をひいていて 更新を怠りました。

気がつけば 三月後半です。
早い…

伊集院光さんのラジオで大江健三郎さんが出演されていて
面白かったので
『「自分の木」の下で』と『「新しい人」の方へ』を読みました。

子供向けに書かれた本なのですが
私にはちょうどよかった。

(ラジオでもふれらていましたが)
子供のころ大江さんは高熱を出し、うつろな意識で、
医者が助からないと言う声を、耳元で聞きます。
その時のお母さまとのお話。

2008.03.18.jpg

ーお母さん、僕は死ぬのだろうか?
−中略-
ーもしあなたが死んでも、私がもう一度産んであげるから、大丈夫。
ー…けれども、その子どもは、いま死んでゆく僕とは違う子供でしょう?
ーいいえ、同じですよ、と母は言いました。
私から生まれて、あなたがいままで見たり聞いたりしたこと、
読んだこと、自分でして来たこと、それを全部新しいあなたに話してあげます。
それから、いまのあなたが知っている言葉を、
新しいあなたも話すことになるのだから、
ふたりの子どもは すっかりおなじですよ。
それを聞いて大江さんは分からないままに、
でも本当に心静かになって眠ることが出来たのだそうです。

自分もそう言われたことがあるような気がして
どきどき しました。
母からは 言った覚えはないと言われそうですが…

この本は 大江さんの子供時代のエピソードを織り込みながら
(それが とても面白く、
 読みながら笑ってしまいました)
その時々に感じたことや考えたこと、
今、考えていることなどが淡々と書かれています。

以前から先のことよりも
終わったことを よく考えるタチでしたが
この本を読んで 改めて
自分の子供の頃と比べてみたり
自分の子供の頃の記憶を思い返したり
しています。
何度も読みたい本です。